成人の肺炎球菌予防接種vaccine of st-pneumoniae

肺炎球菌とは

肺炎球菌は、肺炎、気管支炎などの呼吸器感染症や副鼻腔炎、急性中耳炎、細菌性髄膜炎、敗血症などをおこす原因菌です。

日本人の死因の4番目は肺炎であり、、65歳以上の高齢者においては肺炎球菌が肺炎の原因菌の第1位を占めています。 肺炎の死亡率は抗生物質や医療技術の向上などによって最近までは低下していましたが、近年再び上昇しています。

肺炎球菌ワクチン(ニューモバックス)とは

肺炎球菌は約80種類ありますが、そのうちの23種類に対するワクチンです。これはすべての肺炎球菌による肺炎の約8割くらいに有効です。

近年では、抗生物質が効きにくい肺炎球菌が増加し、30~50%にも及ぶと言われていますが、肺炎球菌ワクチンはこのような耐性菌にも効果があります。 一度接種すると、その効果は5年ほど続きます。

米国では、65歳未満で接種したのち、65歳以上になり、前回の接種から5年以上経過した場合は、2度目の再接種を推奨しています。 世界保健機構(WHO)でも、高齢者の肺炎球菌ワクチン接種を勧めています。 米国ではこのワクチンは十分に普及しており、すでに65歳以上の半数が接種しているとのことです。

インフルエンザ感染と肺炎球菌感染

インフルエンザが発症した場合、怖いのは肺炎を併発することです。インフルエンザに引き続いて起こる細菌性肺炎です。 それに対応しても、肺炎球菌ワクチンが有効です。

肺炎球菌ワクチンは、インフルエンザワクチンと併用することで効果が上がることが海外のデータで分かっており、接種時期を合わせるとよいとされています。 季節型インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンを両方接種することでより高い肺炎予防効果が得られます。

インフルエンザの重症化を防ぐために、高齢者や心臓、呼吸器に慢性疾患のある方、糖尿病、腎不全や肝機能障害のある方等は、肺炎球菌ワクチンの接種が勧められます。

肺炎球菌ワクチン接種の副作用について

ワクチン接種の安全性は、インフルエンザワクチン接種と同様と考えられています。 皮下注射部位に、局所的に腫脹や疼痛を起こすことがありますが、数日で軽快します。

肺炎球菌ワクチン(ニューモバックス)の再接種

以前は肺炎球菌ワクチンは生涯に1回のみの接種とされていましたが、2009年10月18日の厚生労働省の医薬品等安全対策部会安全対策調査会で検討された結果、 本剤再接種のベネフィットが注射部位反応発現等のリスクを上回ると考える場合には、本剤を再接種しても差し支えないとされ、添付文書を改訂することとなりました。 再接種を行なう場合には、前回接種からの十分な間隔を十分に確保し、必要性を慎重に考慮した上で行なうこととされました。

接種希望の方は

肺炎球菌ワクチンは予約制です。窓口もしくは電話にて申し込みください。

Shiroyama-koen Suzuki Clinic城山公園すずきクリニック

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